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Photo Gallery / 地平

これは私の心象風景である。

確かに現実にあるとある場所で撮影した。しかし、私は別にその場所の紹介をしたいわけでも何でもなく、ただただ私の心の中に在る光景を代弁してくれる場所を探しただけにすぎない。

もちろんその対象は風景だけでなく人物にも言える。友人たちにモデルとなってもらったが、友人たちを撮りたかったわけではない。そこにいるまさに、「ひとのかたち」をしたヒトガタが表しだす存在感を、写真の中に露わにしたかった。

 

今、この場所はもはや、かつてのような様相ではなくなった。砂が海に流れ込んでなくなっていってしまうのを防ぐため至る所に柵が設けられている。砂丘が砂丘ではなくなった。砂紋も、かつて私が愛した頃のようなくっきりとしたものではなくなった。

 

いろんなものがそうやって、時と共に変化してゆく。砂紋も一瞬一瞬変わってしまうように、私も風景も何もかもが、少しずつ少しずつ、時に淘汰され、時に妥協され、時に研ぎ澄まされ・・・そうしてみな、変化し続ける。​​

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